2013/06/30

3. 気液 2 相型アルゴン光 TPC 検出器

 暗黒物質探索実験の検出器の一つに気液二相型アルゴン光TPC検出器というものがあり、以下のような仕組みで光と電離電子を用いて暗黒物質を捉えます。まず液体アルゴン中の原子核が暗黒物質に跳ね飛ばされると、周りの原子を励起・電離しながら進みます。励起された原子は基底状態に落ちる際にS1と呼ばれる蛍光を発します。一方電離電子は、一部はまわりのイオンと結合してS1を発し、残りは検出器にかけられた強い電場によって液相から気相へ取り出され、気体アルゴンを電離しS2と呼ばれる蛍光を発します。
 気液二相型アルゴン光TPC検出器では、このS1信号の波形とS1/S2信号比を用いることでγ線やβ線といったbackgroundを暗黒物質信号と区別します。同じ希ガスであるキセノンを用いた場合にはS1信号波形の違いが小さいため分離能力は高くありません。また、液体アルゴン1相の場合には二つ目の方法は使えません。この二つの方法が使えることが、この検出器の大きな利点です。一方で信号量があまり大きくないといった弱点があり、検出効率を良くすることが大きな研究開発項目となっています。